毒は薬なり
2017/08/11
「毒は薬なり」とは、錬金術師でもあったパラケルススのことばです。
私たちの周りにはたくさんの毒があります。
それを薬に使って来た人間の知恵って凄いですね!
こんばんは、東京スクールオブホメオパシー代表の黒澤今日子です。
東京の新宿区神楽坂でホメオパシーの学校を運営しています。
人間と毒と薬のはじまり
人類と毒と薬の付き合いは、地球上に人類が誕生したときから始まっています。
人類は、毒と薬とともに歩んで来たのです。
生きていく上で、人類は毒を探し当てて命の被害を回避し、あるいは薬として利用するすべを身に付けて来たのです。
今、私たちはとても豊かな暮らしをしていますが、その陰で新しい毒、「放射性物質」や「工業廃棄物」など、私たちの環境を汚染する毒を産み出しています。
薬の世界も同じです。
ペニシリンをはじめとする抗生物質の発見によって多くの感染症の治療が可能となり、インスリンは糖尿病の患者さんを救って来ました。
でも、もう一方では、薬の作用がだんだんに強くなり、使い方が難しくなってきたことも事実です。
かつて、錬金術師、医学の革命児ともいわれたパラケルススは、「毒は薬なり」と書き残しています。
パラケルススの時代から500年以上経った今、毒と薬の関係を考えなくてはいけない時代に来ています。
毒を薬にする新しい使い方
毒を薬にする、新しい使い方がホメオパシーです。
新しいといっても実はホメオパシーは200年以上の歴史があるので、決して新しくはないのですが、日本に本格的に導入されて20年くらいなので、まだまだ日本人にとっては新しいといえます。
このホメオパシーですが、使用するレメディというものが、自然界に存在する植物や鉱物、動物性のものなどから作られ、その中には猛毒のものもあります。
例えば、トリカブト(毒性植物)や砒素、水銀など、ホメオパシーでは、日常的によく使います。
ただし、ホメオパシーでは、そのものをかなり希釈してエネルギー化するので、原材料の成分がそこにはありません。
そのために、毒といわれているものも薬として安心して使うことが出来るのです。
まさに大昔から人間が試行錯誤して探して来た、毒の薬への新しい使い方がここにあるのです。
突然の症状にアコナイト
現在世界中には、3000〜4000種類のレメディがあると言われています。
また日々新しいレメディも作られています。
レメディは自然界に存在するあらゆる物から作られます。
そして、新しいレメディが生み出されるには多くの人たちの地道な作業が伴います。
さて、レメディとなる原材料の選択理由はたくさんありますが、ご紹介するレメディAconiteの原材料であるヨウシュトリカブトは、実は古い民間伝承として人間と深い関りを持っています。
日本の古典やギリシャ神話にも登場していますね。
1805年にハーネマンによってプルービングという検証実験が行なわれるまでは、外用薬としか使われませんでしたが、レメディは当時の瀉血の代替手段として急性の発熱や炎症に使われていました。
ヨウシュトリカブトはその大きな花弁が「頭巾」の形に似ているために英名では「monkshood」(修道士の頭巾)と呼ばれています。
多くの種類が存在しますが、レメディとなるヨウシュトリカブトはこれらの中でも最も毒性の強い種類であります。
トリカブトの種類は北半球に野生し、ヒマラヤ山地の狩人やアイヌ民族はトリカブトの根茎に含まれている毒を矢毒に利用してきました。
トリカブトの根は毒性の強いアルカロイドの一種のアコニチンを含むからです。
この毒は地上部にもあるために草食動物による被害を防ぐ役割としても使われて来ました。
トリカブトが天候が突然急激に変わるような高山で適応するように、レメディのアコナイトも突然に現われた症状に対して使われます。
風邪やインフルエンザ、炎症などのあらゆる初期症状に、または突然のショックや急激に生じた恐怖感や不安感、パニックなど、突然に現われるこれらの症状に適するレメディです。
分娩中の妊婦の恐怖感やパニック、新生児の尿閉(赤ちゃんも狭い産道を通ってこの世に生まれてくるときのショック状態から)に使われます。
先日就寝中に夫が突然「足がつった!」と飛び起きました。
椅子に腰掛け歩く事も出来ない状態でしたが、Acon.一粒を摂るとまもなく寝付くことができました。
翌朝、夫曰く「やっぱりアコナイトは凄い!」だそうです。
*Aconitum napellus(ヨウシュトリカブト) アコナイト
いつも携帯していたいレメディですね!
東京スクールオブホメオパシー代表
(株)スタンダードホメオパシー代表取締役 黒澤今日子
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